
警察官を装う詐欺とは?最新の手口と被害を防ぐ対策を解説
最近、警察官を装う詐欺の手口が一段と巧妙になり、被害が後を絶ちません。
一見すると本物らしい電話番号表示や、もっともらしい肩書き、さらにはビデオ通話で制服姿を見せるケースまであり、誰でもだまされる可能性があります。
とくに高齢の家族がいる世帯や、一人暮らしの方は、最新の手口を知っておくことが自宅や資産を守る第一歩です。
本記事では、警察官を装う詐欺の全体像から、最新の主な手口、具体的な対策、万が一あやしい連絡を受けたときの相談先までを、順を追ってわかりやすく解説します。
自分や家族を守るために、まずは落ち着いて情報を整理し、一緒に被害防止のポイントを確認していきましょう。
最新の警察官を装う詐欺の全体像
警察官を装う詐欺は、警察官や捜査機関の職員になりすまして、口座や資産の「優先調査」などを名目に現金や預貯金をだまし取る特殊詐欺の一種です。
警察庁の統計では、令和7年の特殊詐欺全体の被害額は約1400億円と過去最悪水準となり、その中でもいわゆる「ニセ警察詐欺」が大きな割合を占めています。
また、令和7年上半期の集計では、警察官等をかたる捜査名目の詐欺だけで数百億円規模の被害が発生しており、特殊詐欺全体の半数以上を占める状況が明らかになっています。
このように、警察官を装う詐欺は、特殊詐欺の中でも特に被害の大きい手口として、全国的に深刻な問題となっているのが現状です。
警察官を装う詐欺では、これまで高齢者が主な被害者とされてきましたが、近年は働き盛りの世代にも被害が広がっていることが統計や各種調査で示されています。
特に、一人暮らしで日中に自宅で電話を受けやすい人や、資産状況や家族構成について相談できる相手が近くにいない人は、犯人から執ように連絡を受けても確認しづらい傾向があります。
また、金融取引や行政手続の多くがオンライン化していることから、「口座の凍結を防ぐための手続」などといった説明を信じてしまいやすいことも、幅広い年代が狙われる背景となっています。
このように、年齢だけでなく、生活環境や家族構成によっても、被害に遭いやすさが変わる点に注意が必要です。
連絡手段についても、近年の警察官を装う詐欺は大きく変化し、固定電話だけでなく携帯電話や各種SNSを組み合わせる事例が急増しています。
具体的には、国際電話番号を偽装した着信や、警察署の代表番号や末尾が「0110」の番号を表示させる技術を悪用し、あたかも本物の警察から連絡が来たように見せかける手口が確認されています。
その後、LINEなどのSNSやビデオ通話に誘導し、画面越しに偽の警察手帳や逮捕状の画像を見せて信用させるなど、対面さながらの演出で不安をあおるのが特徴です。
このように、電話からSNS、ビデオ通話へと段階的に連絡手段を変えながら、被害者に考える余裕を与えず追い込んでいく点が、最近の手口の大きな特徴と言えます。
| 項目 | 最近の特徴 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 被害規模 | 特殊詐欺全体で年間約1400億円超 | ニセ警察詐欺が被害額の大部分 |
| 被害者層 | 高齢者中心から全年代へ拡大 | 一人暮らしや相談相手の少ない人 |
| 連絡手段 | 電話とSNSやビデオ通話の組合せ | 偽の代表番号表示や画像提示に注意 |
警察官を装う詐欺の最新の主な手口
最近の警察官を装う詐欺では、実在する警察署の代表番号や、末尾が「0110」の番号を偽装して発信される電話が多く確認されています。
中には、警察本部の代表番号や、警察の遺失物案内を名乗る自動音声ガイダンスを流し、「この電話は数時間後に使えなくなる」「問い合わせは番号を押してください」などと指示する手口もあります。
受け手が案内に従って番号を押すと、警察官を名乗る人物につながり、個人情報や口座情報を詳しく聞き出される流れが典型的です。
このように、電話番号表示と自動音声を組み合わせて、最初から本物の警察からの連絡だと信じ込ませるのが大きな特徴です。
さらに、こうした電話では「あなた名義の口座が犯罪に利用されている」「あなたの携帯電話が詐欺グループに悪用されている」などと告げ、不安を強くあおる言い回しが繰り返し使われます。
そのうえで、「このままでは逮捕される可能性がある」「今すぐ口座を調べないと資産が差し押さえられる」などと急がせ、冷静な判断をさせないようにするのが共通した流れです。
犯人は「捜査の一環」「資産を保護する手続」と称して振込先や暗証番号を聞き出し、インターネットバンキングで送金させたり、現金やキャッシュカードを準備させる段階へ誘導します。
最初は相談に乗るような口調でも、途中から強い口調に変えて心理的な圧力をかける点にも注意が必要です。
近年は、電話でのやり取りの途中から、SNSのビデオ通話に誘導する手口も目立っています。
ビデオ通話では、制服や制帽を身に付けた人物が登場し、顔写真付きの警察手帳や逮捕状らしき画像を画面越しに示し、本物の警察官であるかのように装います。
その際、「これが正式な逮捕状だ」「あなたを守るための差押え手続だ」などと説明しながら、通話中に口座残高や利用銀行を詳しく聞き出し、最終的に他口座への振込や電子マネーの購入を指示する事例が報告されています。
しかし、公的機関はSNSのビデオ通話で取調べや逮捕状の提示、振込先の指示などを行わないため、このような要求があれば詐欺だと強く疑うことが重要です。
| 手口の段階 | 具体的な特徴 | 注意すべき点 |
|---|---|---|
| 最初の連絡 | 警察番号偽装表示や自動音声案内 | 番号表示や案内のみで信用しない |
| 不安をあおる場面 | 口座や電話が犯罪利用との説明 | 逮捕や差押えを強調する発言 |
| 信用させる場面 | ビデオ通話で制服や警察手帳提示 | SNSでの取調べや振込指示は詐欺 |
自宅や資産を守るための具体的な対策
不審な電話やSNSの連絡を受けたときは、相手の言葉をうのみにせず、必ず一度通話を切ることが大切です。
そのうえで、自分で調べた公的機関の代表番号にかけ直し、本当に連絡があったのかを確認すると安心です。
警察庁や各自治体は、電話口で口座番号や暗証番号を聞き出そうとする行為は詐欺の可能性が高いと注意を呼びかけています。
少しでも不安を感じたときは、一人で判断せず、家族や身近な人、警察相談窓口に早めに相談することが重要です。
機器の設定を見直すことも、被害防止に大きな効果があります。
固定電話をお使いの場合は、留守番電話機能を常時設定し、相手の名乗りや用件を確認してから折り返す習慣をつけると安全です。
また、発信者番号表示や迷惑電話対策機能を活用し、非通知や見覚えのない番号からの着信には、すぐに出ないようにすると安心です。
近年は、国際電話番号や不審な番号を自動で警告する機能を持つ電話機やサービスもあり、こうした仕組みを上手に利用することが勧められています。
日頃から家族や近隣との間で、詐欺への備えを共有しておくことも欠かせません。
特に高齢者世帯では、「お金やキャッシュカードの話が電話で出たら、必ず家族に一度相談する」といった共通ルールを決めておくと被害の防止につながります。
また、実際にあったニセ警察詐欺の手口や、不審な連絡の内容を家族や近所同士で伝え合うことで、似たような電話がかかってきたときにすぐに気付きやすくなります。
地域全体で情報を共有し、互いに声を掛け合うことが、被害を未然に防ぐ大きな力になります。
| 場面 | 取るべき行動 | ポイント |
|---|---|---|
| 不審な電話着信時 | 一度切ってかけ直し | 自分で番号を調べ直す |
| 日頃の機器設定 | 留守番電話常時設定 | 番号表示と迷惑機能活用 |
| 家族や近隣との対策 | 相談と合言葉の約束 | 具体的な禁止ルール共有 |
不審な連絡を受けたときの相談先と通報方法
不審な電話や連絡を受けたときは、まず落ち着いて公的な相談窓口につなぐことが大切です。
事件性が高い、または今まさに被害が進行していると感じた場合には、ためらわずに110番通報を行う必要があります。
一方で、すぐに警察官が駆け付けるほどではないが不安がある場合には、警察相談専用電話の#9110を利用する方法があります。
#9110に電話をすると、発信地を管轄する警察本部などの総合相談窓口につながり、状況に応じた助言や案内を受けることができます。
特殊詐欺の不安があるものの、警察に相談すべきか迷う場合には、平常時から#9110の存在と役割を家族で共有しておくと安心です。
#9110では、犯罪被害の未然防止に関する悩みや、不審な電話への対応方法などについても相談が可能とされています。
また、電話が混み合っている場合や詳細な事情を伝えたい場合には、最寄りの警察署の代表番号に直接電話し、生活安全課などの担当部署につないでもらうことも有効です。
このように相談先を複数把握しておくことで、不審な連絡を受けた際にも早期に専門機関へつなぐことができます。
警察以外にも、契約やお金のトラブルが疑われるときに頼りになる公的窓口として、消費生活センターがあります。
どこに相談してよいか分からない場合には、消費者ホットライン188に電話をすると、近くの消費生活センターや相談窓口を案内してもらうことができます。
消費生活センターでは、特殊詐欺や悪質商法が疑われる事例について、具体的な聞き取りを行い、必要に応じて警察や関係機関との連携も図っています。
そのため、金銭的な被害や契約トラブルを含む不審な勧誘を受けた際には、早い段階でこれらの窓口を活用することが重要です。
実際にお金を振り込んでしまった、キャッシュカード情報を伝えてしまったなど、被害に気づいた直後には、時間との勝負になります。
まず、取引のある金融機関やクレジットカード会社に連絡し、該当口座やカードの利用停止を至急依頼する必要があります。
併せて、警察に被害の状況を詳しく伝え、振り込め詐欺救済法などに基づく口座の取引停止措置や、今後の手続きについて説明を受けることが大切です。
通帳や振込明細、相手とのやり取りが分かる記録などを保管し、後日の届け出や相談の際に提示できるよう整理しておくと、対応がスムーズになります。
| 場面 | 主な相談先 | 初動で行うこと |
|---|---|---|
| 不審な電話受信時 | #9110や最寄り警察 | 通話内容をメモ保存 |
| 勧誘や契約の不安 | 消費生活センター | 契約書や資料を保管 |
| 送金後に被害判明 | 警察と金融機関 | 口座やカードを停止 |
まとめ
警察官を装う詐欺は、電話やSNS、ビデオ通話など手口が年々巧妙になり、誰もが被害に遭う可能性があります。
少しでも「おかしい」と感じたら、その場でお金やカード、通帳の話に応じず、家族とも必ず情報を共有しましょう。
また、留守番電話設定や迷惑電話対策機能を活用し、日頃から詐欺の事例を知っておくことが、自宅や資産を守る大切なポイントです。
当社では、防犯を意識した住まい選びや暮らし方のご相談も承っています。
不安な連絡があった際の対応方法なども丁寧にお伝えしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。