
結婚したくない若者が増加する背景は?価値観の変化と社会環境から理由を読み解く
近年、結婚したくないと考える若者が増加していると言われていますが、その背景にはどのような理由があるのでしょうか。
なんとなく耳にする傾向であっても、自分や身近な人の将来を考えるうえで、きちんと知っておきたいと感じている方も多いはずです。
本記事では、未婚率や生涯未婚率などのデータから、結婚を望まない若者の意識や価値観の変化、そして経済・社会環境までを整理しながら解説していきます。
まずは、結婚したくない若者が本当に増えているのか、その現状と背景を一緒にひもといていきましょう。
結婚したくない若者が増加する現状とデータ概観
国立社会保障・人口問題研究所が実施した最新の出生動向基本調査では、18~34歳の未婚者のうち「一生結婚するつもりはない」と答えた人の割合が男女とも初めて2割を超えたとされています。
具体的には、男性が約24%、女性が約22%と報告されており、過去の調査結果と比較しても明らかな増加傾向です。
あわせて、生涯未婚率も長期的に上昇しており、「結婚するのが当たり前」という前提が徐々に崩れていることがうかがえます。
こうした統計から、日本社会全体で未婚化・非婚化が進んでいる現状が浮き彫りになっています。
一方で、若年層全体が結婚を完全に否定しているわけではなく、「結婚したいが、できるかどうか分からない」と考える層も一定数存在します。
日本財団の18歳意識調査では、「将来結婚したい」と答えた若者の割合は依然として過半数ですが、その割合は数年前より減少していることが示されています。
また、「必ず結婚すると思う」と答える人は2割に満たず、多くの若者が自分の結婚を現実的な将来像として描けていない状況です。
このように、結婚自体への願望と、実際に結婚する見通しとの間には大きなギャップが生じています。
年代別・男女別にみると、特に若い男性で結婚への意欲低下が目立ちます。
18歳意識調査では、将来結婚したいと答える割合が男性で約58%、女性で約58%と男女差は小さいものの、男性では前回調査からの減少幅が大きいことが指摘されています。
また、内閣府などの調査では、年齢が上がるほど「一生結婚するつもりはない」「結婚しなくてもよい」と考える人の割合が高くなる傾向も見られます。
このようなデータを踏まえると、若者の結婚観は性別や年齢層によって揺れ動きながらも、「結婚しない人生」を現実的な選択肢として受け止める人が増えているといえます。
未婚化・晩婚化の進行は、少子化や人口減少と密接に結びついています。
出生動向基本調査では、未婚者が希望する子どもの数も長期的に減少しており、理想の子ども数が2人を下回る結果が示されています。
さらに、厚生労働省の資料では、生涯未婚率の上昇と合計特殊出生率の低下が並行して進んでいることが示され、家庭を持たない人が増えることが、結果として出生数全体の減少につながっていると整理されています。
このように、結婚したくない若者の増加は、個人の生き方の問題にとどまらず、社会全体の人口構造や将来の地域コミュニティの姿にも影響を与える重要なテーマになっています。
| 指標 | 最近の傾向 | 結婚観との関係 |
|---|---|---|
| 「一生結婚するつもりはない」割合 | 男女とも2割超で過去最高水準 | 非婚を前提とした人生設計の増加 |
| 将来結婚したい若者の割合 | 過半数だが数年前より減少傾向 | 結婚願望と現実とのギャップ拡大 |
| 希望する子ども数 | 未婚者で2人未満へ緩やかに低下 | 少子化と人口減少を強める要因 |
若者が「結婚したくない」と感じる主な心理的・価値観の変化
近年の調査では、若い世代ほど「自分の好きなことや趣味」を大切にしたいという回答が高く、恋愛や結婚よりも自分時間を優先する傾向が強まっていることが示されています。
日本財団の18歳意識調査でも、将来重視したいものとして「好きなこと・趣味」が過半数を占める一方、「恋愛」は約2割にとどまっています。
このように、余暇や趣味、学び直しなどを通じて自分を高めたいという志向が、結婚よりも個人のライフスタイルを優先する価値観につながっていると考えられます。
結果として、「今は結婚よりも自分の時間を確保したい」という気持ちが、「結婚したくない」という意識として表れやすくなっています。
また、結婚を「人生の通過点」ではなく「数ある選択肢のひとつ」と見る考え方も広がっています。
日本財団の調査では、「結婚して子どもを育てる人生が望ましい」と感じる若者が多数派でありつつも、「そうは思わない」「どちらかといえばそう思わない」と答える層も一定数存在しています。
こども家庭庁の資料でも、若者の間で事実婚や同居、結婚しないパートナー関係など、多様な家族の形を肯定的に捉える傾向が指摘されています。
このような多様な恋愛観・家族観の広がりが、「必ず結婚しなくてはならないわけではない」という意識を後押しし、結果として結婚を選ばない生き方も自然な選択として受け入れられています。
さらに、結婚生活や子育てに対する心理的な不安や負担感も、若者が結婚に踏み切れない要因になっています。
明治安田総合研究所の調査では、子どもを持つことに対して「経済的負担に耐えられない」「自由な時間が減る」「精神的・身体的な負担が大きい」といった不安が高い割合で挙がっています。
内閣府などの調査でも、「仕事・家事・育児・介護を背負うことになる」といった責任の重さを理由に結婚をためらう回答が、特に女性で多く確認されています。
こうした将来への漠然とした不安が、「結婚すると自分の負担が急に増えるのではないか」というイメージを強め、「結婚したくない」「今は避けたい」という感情につながっていると考えられます。
| 変化のポイント | 若者の主な意識 | 結婚観への影響 |
|---|---|---|
| 自分時間や趣味の重視 | 好きなことを優先 | 結婚より個人生活優先 |
| 家族観の多様化 | 結婚は選択肢の一つ | 結婚の必然性の低下 |
| 負担感や責任への不安 | 生活や子育ての重圧懸念 | 結婚回避や先送り志向 |
結婚したくない若者を取り巻く経済・社会環境の影響
結婚をためらう若者の背景には、個人の価値観だけでなく、収入や雇用をめぐる環境の変化があります。
こども家庭庁の意識調査では、未婚や晩婚の理由として「結婚資金への不安」や「将来の収入見通しの悪さ」を挙げる回答が多くなっています。
また、厚生労働省の出生動向基本調査では、「一生結婚するつもりはない」と答えた人の中にも、経済状況が整えば結婚意向が変わり得るとする層が一定数いることが示されています。
このように、雇用の安定性や所得水準が、若者の結婚観に大きく影響していることがうかがえます。
生活費の負担感の高まりも、結婚への心理的なハードルを押し上げています。
こども家庭庁の調査では、結婚や子育てを考える際の不安として、「住居費」「教育費」「日々の生活費」が上位に挙がっています。
さらに、明治安田総合研究所の調査では、未婚者が結婚に踏み切れない理由として、「収入が少なく余裕がない」「結婚や子育てにはお金がかかる」といった金銭面の負担感が目立っています。
このような状況から、「結婚すると生活が苦しくなるのではないか」というイメージが、若者の間で広がりやすくなっているといえます。
加えて、働き方や労働時間の問題も、結婚や子育てを現実のものとして想像しにくくする要因になっています。
こども家庭庁が公表している各種調査では、若い世代の間で、長時間労働や不規則勤務により「自分や家族との時間が取りにくい」と感じる人が少なくないことが示されています。
また、共働きを前提とした社会になりつつある一方で、家事・育児の分担や働き方の柔軟性が整わない場合、将来のパートナーシップに不安を抱く若者も少なくありません。
このように、ワークライフバランスの課題が残る中で、「今の働き方のままでは結婚生活を続けるのは難しい」と感じる人が増えていると考えられます。
| 要因 | 若者への影響 | 結婚観へのつながり |
|---|---|---|
| 収入・雇用の不安定さ | 将来設計の描きにくさ | 結婚資金や生活維持への不安 |
| 住居費・教育費の負担感 | 家計への圧迫イメージ | 結婚で生活が苦しくなる懸念 |
| 長時間労働と負担偏在 | 自由時間や余裕の不足 | 家庭生活や子育ての想像のしにくさ |
出会いの変化と「結婚を望まない」選択が持つこれからの意味
近年は、友人や職場など身近な人間関係だけでなく、マッチングアプリなど多様な場で出会う若者が増えているとされています。
その一方で、こども家庭庁のデータでは、未婚の若者が結婚しない理由として「適当な相手にめぐりあわない」が男女とも上位となり、「異性とうまくつきあえない」と答える人の割合も近年高まっています。
また、日本財団などの調査では、交際経験がない若年層が一定数存在し、自分に自信が持てないことや恋愛を負担に感じることが、結婚を遠ざける一因になっている状況も指摘されています。
さらに、事実婚や婚姻届を出さない同居、一定期間ごとに同居や別居の形を柔軟に見直す関係など、従来の婚姻制度とは異なるパートナーシップを望む声も見られます。
こども家庭庁や日本財団の意識調査では、結婚を「しなければならないもの」と考える若者は少数で、「結婚して子どもを育てる人生が望ましい」と答える割合も、必ずしも多数派ではなくなりつつあります。
明治安田総合研究所の調査でも、未婚者の中には「結婚の必要性を感じない」「一人でいる方が気楽」といった回答が多く、多様な生き方の選択肢が現実的なものとして受け止められていることがうかがえます。
結婚したくない若者が自分の将来設計を考える際には、結婚の有無にかかわらず、どのような住まいや働き方を選び、どのような人間関係のつながりを築いていくのかを具体的に描いておくことが大切です。
また、日本財団などの調査では、将来子どもを持たない可能性を考える若者の中で、「金銭的負担」だけでなく「精神的負担の大きさ」を気にする人が増えており、心身の余裕も含めた生活設計が重要になっています。
結婚という枠組みにとらわれすぎず、自分に合った人との関わり方や支え合いの形を検討しつつ、収入や貯蓄、老後の暮らし方など長期的な視点でライフプランを考えることが、今後いっそう求められると言えます。
| 出会いの変化 | 価値観の多様化 | ライフプランの要点 |
|---|---|---|
| 職場以外の多様な出会い | 結婚は選択肢の一つ | 住まいと働き方の整理 |
| 交際経験なしの若者層 | 一人でいる気楽さ重視 | 収入と貯蓄の見通し |
| 異性との関係への不安 | 事実婚など新しい関係 | 老後の暮らしと支え合い |
まとめ
結婚したくない若者の増加は、価値観の変化と経済的不安が重なった結果として表れています。
自由な時間や趣味を大切にしたい気持ちに加え、収入・雇用の不安定さや生活コストの高さが、「結婚はリスク」という印象を強めています。
一方で、結婚するかどうかにかかわらず、安心して暮らせる住まいの選択は欠かせません。
将来どのようなライフスタイルを選ぶか迷われている方は、住まいの観点から一緒に考えてみませんか。
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