
建設会社の倒産が増加する今なぜか?住宅新築やリフォーム前に知るべき理由
最近、建設会社の倒産が増加しているというニュースを目にする機会が増えています。
せっかく住宅の新築やリフォームを計画しても、工事途中で建設会社が倒産してしまえば、工事の中断や追加費用の発生など、大きな負担につながりかねません。
しかし、あらかじめ理由や背景を理解し、リスクを見極めておくことで、こうしたトラブルを大きく減らすことは可能です。
本記事では、なぜ今、建設会社の倒産が増えているのかという全体の状況とその理由を整理したうえで、住宅の新築やリフォームを検討している方が、どのような点に注意して建設会社を選べばよいのかを、できるだけ分かりやすく解説していきます。
これから契約を検討する方は、ぜひ一度立ち止まり、倒産リスクへの備え方を一緒に確認してみてください。
建設会社の倒産が増加する現在の状況
帝国データバンクの調査によると、建設業の倒産件数はここ数年増加傾向が続いています。
2024年の建設業倒産は負債額1,000万円以上で1,890件となり、前年より増加しました。
さらに2025年には2,021件に達し、直近10年間で最多水準となっています。
このように、建設業全体として倒産が連続して増えていることが現在の大きな特徴です。
加えて、最近は倒産件数そのものだけでなく、その増え方にも注目が集まっています。
2025年上半期だけで建設業の倒産は986件に達し、上半期として過去10年で最多となりました。
2026年上半期も建設業の倒産は1,043件と前年同期比で増加しており、増加基調が続いています。
倒産が一時的な急増ではなく、数年規模で続く流れになっている点が重要です。
この背景には、物価高や人手不足など、構造的な要因が重なっていることが挙げられます。
原材料や燃料などの仕入れ価格上昇を要因とする「物価高倒産」は、2026年上半期に全産業で556件と過去最多を更新し、その一部を建設業が占めています。
また、人手不足を要因とする倒産も2024年度に過去最多の350件となり、建設や物流などで高水準が続いています。
このようにコスト増と人手不足が長期化する中で、建設会社の経営環境は一段と厳しくなりつつあります。
| 年・期間 | 建設業倒産件数 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 2024年通年 | 1,890件 | 増加傾向が鮮明 |
| 2025年通年 | 2,021件 | 過去10年で最多 |
| 2026年上半期 | 1,043件 | 前年同期を上回る |
建設会社の倒産が増加している主な理由
建設会社の倒産が増えている背景には、資材価格や人件費、エネルギー費の上昇が長期化していることがあります。
帝国データバンクの調査では、2026年上半期の「物価高倒産」は全産業で増加し、そのうち建設業は前年同期比で約3割増とされています。
建設資材についても、建設物価調査会などのデータでは、2024年から2026年にかけて多くの品目で価格が高止まりしています。
しかし、中小の建設会社ほど、急激な原価上昇分を工事価格に十分転嫁できず、利益が圧迫されやすい構造が続いています。
こうしたコスト上昇は、単に利益を削るだけでなく、資材発注や外注費の支払いに必要な運転資金を逼迫させます。
とくに、長期の工期が想定される新築工事や、追加工事が発生しやすいリフォーム工事では、契約時の見積もりと実際の原価の差が大きくなりがちです。
価格転嫁が遅れたり、工事途中での見積もり見直しが十分に行えなかったりすると、黒字倒産に近い形で体力を失う建設会社もあります。
このように、物価高の継続と価格交渉の難しさが重なり、経営の土台そのものを揺さぶっている状況です。
さらに、建設業では職人不足と高齢化、後継者不在といった人手に関する問題が倒産増加の一因となっています。
厚生労働省の資料では、建設就業者のうち高年齢層の割合が2割を超えており、若年層の入職と定着が十分でないことが示されています。
その結果、限られた技能労働者に仕事が集中し、人件費の上昇や工期遅延が発生しやすくなり、経営負担が一段と重くなっています。
小規模な建設会社では、経営者の高齢化と後継者不在が重なり、収益があっても将来を見通せずに廃業や倒産を選ぶケースも増えています。
加えて、経済環境や金融環境の変化も建設会社の資金繰りを厳しくしています。
日本銀行の政策金利引き上げの影響により、借入金利の負担が高まり、長期にわたり多額の資金を必要とする建設業には重い負担となっています。
帝国データバンクの倒産動向では、金利上昇と物価高が重なったことで、全体の倒産件数が2年連続で5,000件を超え、建設業もその一部を占めるとされています。
これまで資金繰りを支えてきた各種支援策が縮小・終了した影響も加わり、資金調達の余裕が少ない建設会社ほど、環境変化に耐えられずに倒産に至る傾向が見られます。
| 倒産増加の要因 | 建設会社への影響 | 住宅検討者への注意点 |
|---|---|---|
| 資材価格や人件費の高騰 | 利益圧迫と黒字倒産リスク | 適正価格か見積もり確認 |
| 職人不足と高齢化の進行 | 工期遅延と品質確保の負担 | 体制や人員配置を質問 |
| 金利上昇や支援策の縮小 | 借入負担増による資金難 | 資金基盤や経営姿勢を重視 |
住宅の新築・リフォームで注意すべき倒産リスク
建設会社が工事途中で倒産した場合、工期の大幅な遅延や工事の中断が発生しやすくなります。
前払いした着工金や中間金が戻らず、別の業者に引き継ぐための追加費用が必要になることもあります。
住宅完成保証制度や瑕疵保険などの仕組みがあっても、補償範囲外の費用負担が生じる可能性はゼロではありません。
こうした事態は、新築だけでなく大規模なリフォームでも同様に起こり得るため、契約前から倒産リスクを意識しておくことが重要です。
倒産リスクを抑えるためには、まず建設会社がきちんと建設業の許可を受けているかを確認することが大切です。
国土交通省が提供している建設業者の情報検索システムでは、商号や許可番号などから、許可の有無や業種区分などの基本情報を調べることができます。
あわせて、決算公告や事業報告を自主的に開示しているか、長期間にわたり安定して施工実績を積み重ねているかといった点も、経営姿勢を判断する材料になります。
許可情報と実績、情報開示の姿勢を総合的に見ることで、表面上の印象だけでは分からない倒産リスクをある程度見極めやすくなります。
見積書や支払い条件の内容から、資金繰りの健全性を推測することも可能です。
着工前の前払い割合が極端に高かったり、相場とかけ離れた大幅な値引きが提示されていたりする場合、会社側の資金繰りが厳しいおそれがあります。
国民生活センターの資料でも、口約束による契約や多額の前払いが、工事トラブル時の回収困難につながる事例が指摘されています。
契約金額の支払いは、着工時・中間時・引き渡し時など工事の進捗に応じて段階的に行う条件を基本とし、不自然な値引きや一括前払いを求められた場合には慎重に検討することが大切です。
| 確認すべき視点 | 具体的な確認内容 | 倒産リスクへの関係 |
|---|---|---|
| 許可・登録状況 | 建設業許可の有無や業種区分 | 基本的な信頼性の判断材料 |
| 情報開示と実績 | 決算情報開示と施工件数の推移 | 経営の安定性や継続性の目安 |
| 見積と支払い条件 | 前払い割合や値引き水準 | 資金繰り悪化や倒産リスクの兆候 |
建設会社選びで倒産リスクを減らすためのポイント
住宅の新築やリフォームを進めるうえでは、まず複数の建設会社から見積書や提案内容を取り寄せて比較することが大切です。
その際、工事金額だけでなく、工期の目安や標準仕様の範囲、追加費用が発生しやすい箇所などを書面で確認しておくと、後のトラブルを避けやすくなります。
また、国土交通省の建設業許可業者情報や、帝国データバンクが公表する倒産動向などを参考に、業界全体の状況を踏まえながら慎重に業者を見極める姿勢も重要です。
こうした事前準備により、倒産リスクを抱える建設会社を選んでしまう可能性を相対的に下げることができます。
工事代金の支払い方法については、契約金・中間金・完工金といった段階ごとの支払時期と割合をできるだけ明確にしておくことが、倒産リスクを抑えるうえで有効です。
一括前払いは万一の際に資金が戻りにくくなるため、工事の進捗に応じて支払う形を基本とし、過大な着手金や中間金を求められた場合は慎重に検討する必要があります。
また、追加工事が生じたときの見積方法や支払期限、工期が延びた場合の取り扱いなども、契約書や約款に盛り込まれているか事前に確認しておくことが安心につながります。
このように支払条件を整理し、契約内容を見える化することが、建設会社倒産時の損失を一定程度抑える手立てになります。
さらに、引き渡し後のアフターサービスや保証体制を事前に確認しておくことで、建設会社が倒産した場合の備えにもなります。
建設業界では、物価高を背景にした倒産が増える傾向が指摘されており、完成後に不具合が生じた際の対応窓口が確保されているかどうかは、以前にも増して重要な視点です。
構造躯体や防水などの保証期間、定期点検の内容や回数、不具合が発生した際の連絡方法などについて、書面で説明があるかどうかを確認するとよいでしょう。
万一の事態を想定しつつ、長期的に住まいを守ってくれる体制を持つ建設会社を選ぶことが、安心して新築やリフォームを任せるための大きな手掛かりになります。
| 確認ポイント | 具体的な内容 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 複数社比較 | 見積内容や仕様の書面比較 | 過度な値引きや不明瞭な条件の把握 |
| 支払条件整理 | 工事進捗に応じた分割払い | 倒産時の前払金回収不能リスク軽減 |
| 保証体制確認 | 保証期間と点検内容の事前把握 | 引き渡し後の不具合への備え |
まとめ
建設会社の倒産が増加する中で、新築やリフォームでは「どの会社に任せるか」がこれまで以上に重要になっています。
許可情報や財務状況、施工実績の確認に加え、見積もり内容や支払い条件から資金繰りの健全性を見極めることが欠かせません。
不安なく家づくりを進めたい方は、まずはお気軽にお問い合わせください。